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ダライ・ラマ法王法話会



私は世界中でいろんな人とお会いしますが、どの人と会っても同じ人間だということが基本だと思っています,自分の身体的な状態、白分の感性、その見方、基本的な考え方、人問であるという点において何も変わりないと感じています。特にチベット人と皆さん日本人は、ヨーロッバの人たちと違って非常にそっくりです。
皆さんにとって、勉強をする必要性というのはいったい何なのでしょうか。まず、ひとつは自分の人生が楽になるように、良い人生が送れるように.あるいは、自分の所属している組織や、自分の国が良くなるように。という目的で勉強しているのではないかと息います。特に、日本は非常に経済的に豊かな、アジアを代表する経済大国になっていますが、それは、まさに皆さんが勉強をしっかりしたことが要因なのです。
しかしながら、日本は経済大国といわれますが、経済的に恵まれて豊かになったことによって、何も問題がないのでしょうか。外的な豊かさを享受していますが、「心の貨困」「心の苫しみ」というようなことが新たな問題とし出てきています。そして若い人たちの心の中に大変な悩みを持っています。私の知り合いにも経済的に豊かなお金持ちの人ですが、話をしていたら心の中に大きな悩みを持っていて、精神的な状態があまり良くない人がおります。
経済的な発展を求めるために、知識を一生懸命磨いていこうという流れはよく理解できます。しかしそれにともなった形で「心の安定」「心の豊かさ」を求めていかなくてはいけない状態になってきていると感じています。科学者の間でも、人の心のありように大変興味が出てきています。科学的に分析して、心はどのようにすれば安定するのか、という研究が増えてきています。
最近の勉強は、どれだけの量を知っているのか、どれだけの量を知識として持っているのかが中心となってきています。しかし、それ以外に、自分の心のありようが重要だと気付きはじめました。
たとえば、「親切心」「責任感」を、どれだけ育んでいくかも大切なポイントになってきているように感じています。アメリカの大学では、「心のありよう」に注目して、授業の中で「慈しみの心」「人に対するやさしさ」「慈悲の心」を、科学の先生の中でも授業でとりあげるようになってきているのです。


清風宕峯会会報智慧3号 「ダライ・ラマ法王法話会」より抜粋
智慧3号にて全文が掲載されています。 本HP内、発行物のページにて智慧バックナンバーを是非ご覧ください。

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